「んっ……」
「何、もう感じてんのか?」
背後で新八が鼻で笑う。俺は枕に顔を埋め、声を殺した。冷たい新八の手が、俺に触れる。
「あっ……ん」
「左之、ほら……どうよ?」
新八は笑いを含めた声で俺のそれを刺激し、滴る蜜を絡めてわざとぐちゃぐちゃと音を立てる。粘着性のある液は新八の手を汚し、それは更に俺の気持ちを昂ぶらせた。
「左之……」
「ん……」
顔をそちらに向けると、新八は俺の唇を舐める。それから深い口付け。俺はとろんとした目で新八を見つめ、体勢を変えて舌を絡めた。
「んっ、ん!」
「……今夜は一段と凄ェな」
ベロリと唇を舐める仕種がやたら色っぽい。俺はそんな新八にされるがまま。
「ああぁ……!んっ!」
新八は手の動きを止めないで、俺の胸の突起に歯を立てる。そして、円を描く様に舐められたら……達するしかない。
「んっんっ……んんう!」
「……よかったか?」
「あっ……うんん、あぅ……」
涎や涙やらを敷布に染み込ませ、俺は小刻みに体を震わせる。新八はいやらしくニヤリと笑った。
「お前のその顔、堪んねェ」
「新……ぱ、ち」
「細い腰。相変わらず折れそうだな」
「あ、ん!」
新八の指に、翻弄される。それは閉じた蕾を無理矢理こじ開け、入ってきた。
「んんん、あああ!」
「感じるか?気持ちいいんだろ?」
「ふっ……っく……るせーよ、馬鹿っ」
「こっち向けよ、左之」
また唇を塞がれ、喉奥まで愛撫される。俺は新八に引き寄せられ、両の脚を開かれた。
「ぁ……」
「左之、期待し過ぎ」
ぺろっと唇を舐める新八は、目を細めて俺の蕾を撫で、嗜虐的な眼差しを向けてくる。
あぁ、モノにされちまうんだって、俺でも分かる。
「熱っ……」
熱い塊を押し当てられ、俺はゴクリと喉を鳴らした。興奮する、この瞬間は。
「あ、あああぁッ!」
「キッツ……やば、」
新八は息を吐いて、奥までみっちりと詰めた。俺は新八にぎゅっとしがみつき、脚を腰に絡める。
「あっ、あっ、あんん……」
「……色っぺーよ、お前」
「んんんう……」
「屯所ン中、響いてんじゃね?声、」
「あ、……んっ」
声を殺せるんだったら、とっくにしてる。無理なんだ。あいつのあれが入ってきたら俺はもう、駄目になっちまう。
「も、らめっ……んっ!やっ……!」
「左之っ……!」
興奮してる。俺もこいつも。
止められない、止めたくない。
何て、動物みたいな性行してんだ俺達。
「あっ、ああぁ!」
何度目かの射精で、俺はぐったりとする。新八はぱちぱち俺の頬を叩いて起こしてきた。
「な……ん、」
「俺、まだ潮が満ちてないんだけど?」
ニヤリと笑う新八。俺は接吻をして、自ら腰を振った。



何でこんなことになっちまったんだろう。どうしてこんな関係になっちまったんだろう。
きっかけは一月位前。しかも酔った勢い。俺を抱く新八は、ただ良い、良いしか言わなかった。その時の俺もやっぱりされるがままで。新八に抱かれながら、俺も良いしか言えなかった。
男もいけると確信したのはその後で。素面の時に、わざと新八を誘った。半分冗談だったが、いけた。
俺は、もう新八から離れられない。



「や、だっ……は、んっ」
「左之っ……」
「激、しっ」
新八の腰が揺れる。俺は新八の下でやたら喘がされ、ぐちゃぐちゃにされ、それから優しくされて……頭がおかしくなっちまう。
「左之、いく」
新八はそれだけ言って俺の中で達した。熱いそれを注がれると、俺はビクビクと痙攣する。目の奥がチカチカする。
「……んっ……」
「ん、ごっそさん」
新八はそれだけ言って、着物を羽織った。した後にすぐ離れていってしまうのは、ちょっと寂しい。けど、俺達はそれをするだけの関係だから、寂しいなんて言ってられない。でも、
「もう行くのか?」
俺は思わず新八の着物の裾を掴む。すると、新八が驚いて振り返った。
「んだよ」
「いや……」
「左之らしくねェなァ。あんま長居してっと怪しまれんだろ?」
「そう、だな」
俺達は、ただそれだけの関係。……寂しくなんか、ない。
「んじゃ、またな」
「おゥ」
新八はひらりと手を振って、夜中の廊下をひたひたと歩いた。俺はその背中が見えなくなるまでそっと眺める。
「……新八」





親しけれど、奴には俺の心見えず。
俺はただ本音を隠し、背中を眺めるのみ。










最近、左之受けにはまりすぎて困る。セクシーだよねっ^^
(2011 05 03 時雨)