わんと知念はまた喧嘩をした。
きっかけは本当に些細なこと。でもわったーは激しく口論した。
「もう知念なんて知らん!嫌いやっしー!」
いつも言ってること。わんはぷりぷりわじり、そしたら知念は慌ててわんをなだめすかし、いっぱいちゅーしてくれるのだ。なのに。
「そーかぁ。わんが嫌いかや」
いつもと違う知念の態度。あれ?とわんは思ったけど止まらんかった。
「もう嫌い。知念とは喋らん」
「ああそうかや。じゃぁ凛とはもう喋らん」
「ちょっ」
わんが固まってる間に知念はさっさと歩きだしてしまった。ズンズン大股で進んでいく知念を、わんは慌てて追いかける。
「な、なぁっ!ちねっ……」
「……」
う、わ。ぬーしよ、知念ガチで怒っとぅる。わんは小走りで追いかけて、今まで知念がどれだけわんの歩幅に合わせてゆっくり歩いていたかを知った。
「な、知念っ、わっさん、わっさんってぃば!」
「……わんとは喋らんじゃないかや?」
「あー、もう、わんが悪かったさぁ!わじんなってぃばっ」
「知らん」
「っ……」
じわり、と涙を浮かべた。ああ、わんって今までどれだけ知念に甘えていたんだろう。
「泣いても効かん」
「うー……知念、わっさいびーん」
「話さん」
「うんねーるくとぅ、あびないで」
「……わんぬくとぅ、嫌いってあびた」
「ありぃは勢いで……」
「やてぃん、嫌いってあびた」
「……わっさん」
「なん、わんのくとぅ、嫌いかや?」
「うんねーるくとぅ、ねーらんどー……」
「じゃぁ、なん?わんって、凛ぬ、なんかや?」
わんは泣きながら知念ぬ服ぬ裾を握り締めた。
「知念は、わんぬ、しちゅんと想う人」
くぬ気持ちだけは変わらんどー。
「やくとぅ、わじらんでー……」
「……あんしぇー、わんが凛にいつもしちゅうくとぅ、して」
「……?」
「凛がぷりぷりわじる時、」
あ、とわんは思わず声を上げた。
「……此処でぃ、かや?」
「他に何処があるんばぁ?」
酷い、意地悪。
わんは背伸びして、知念ぬ唇にキスをした。
「……ん……」
「……一回、だけかや?」
「……いー」
意地悪。知念はニヤリと笑って、かがんでくれた。腰を引きよせ、求めてくる。
「あ、ちねん、」
「凛、うじらぁさん」
「! フ、フラー!」
「しちゅんよ、」
「!」
「凛、ちら赤さんよー」
ああもう、知念はでーじ意地悪で。わんをなかなか離さんかった。やてぃん、

わんはそんな知念に、全力で恋してる。





(2010 03 22 時雨)