塾行って遅くなった。でもなんとなく帰りたくなくて、ちょっとした繁華街へ足を向けた。制服を着ていなければだれも18歳未満とは気付かない。お店の前を通って一通りひやかして、それでオワリ。残念だけど、おねいさん、やーぬおっぱいには興味がない。そこで突然声をかけられた。
「ねーキミ、わんと遊ばん?」
運命だって思った。
*
自分でも信じられないくらい、男とのハジメテは、なんというか、ぶっとんでた。おにーさんがなんでもかんでもするから、もうどうでもよくなって、自分のいいようにやった。理性とびすぎて全く覚えてないけど、どうせおにーさんも酔ってたから覚えてない。
でも朝になって冷静に考えたら本当に恥ずかしいわ彼がでーじ好みのタイプだったわでいきなり発した言葉が、恋人の有無を問う質問だった。しまったと思ったけど、思いきって言ってみるもんだ。付き合えるなんて、まさに運命だ。
……運命だけど。
年上の彼・凛サンの職業はAV男優。しかも男同士で絡む奴。バリネコ。
おかしいと思った。セックスでーじ慣れてるし、職業隠すし。たまたま入ったビデオ屋の一角のゲイビデオに凛サンそっくり、寧ろ凛サンがいた、なんてわかったらどうしていいかわからねーらん。
そんな職業をだめだと否定するわけでもないし、辞めてほしいなんて養う力もないわんには言えない。けど、恋人としてはとっても、複雑な気持ち。
なんであびてくれんかや、そんなにわんが信用できない?それとも本当は好きじゃない?
って思い始めたら最近でーじ鬱モード。ハハッ。
結構な頻度で会えるからリア充楽しんでるんやしが、いつも伴うのはそんな不安ばっかり。
セックスも凛サンに教えてもらって、キモチイイ、モット、って言ってもらえるようになったから結構気に言ってもらえてると思ったんだけど、それはわんぬペニスとセックスだけが好きなの?
あー言いたい。そりゃあ恋人が違う男の下でみだらになってたり、知らない男がビデオ見てオカズにしてたりなんて思うだけで吐き気がするけど、凛サンは凛サンやっし。嫌いになったりなんか、しねーらん。って。しんけんしちゅん、しんけん結婚したいくらいやっし、って。
ホテルでセックスしたあとは「またね」のチューをして別れるのがお決まり。寂しい気持ちに後ろ髪をひかれながらさっさと勉強モードに切り替えようと家に向かう。が少し行ったところで、ブルブルと携帯が訴えた。
“今日会える?”
本文がたったそれだけのメール。もちろん送り主は凛サンだ。さっき会ったのに、すぐに送ってくれるってのは、わんに気持ちがあるってことがいいんかや?心臓のあたりがきゅぅっと締めつけられる感じがして、目がしらが熱くなる。
“うん。いつものところ? 会いたい”
会いたい。凛サン。でーじしちゅんやくとぅ、もっと凛サンもわんぬくとぅ信じてよ。そんな想いで指が勝手にメールを送る。古典で言ってたっけ、「かなし」は切ないほどに愛しい、って意味だって。
すぐに返信が来て、どうでもよくなった。すぐに踵を返してわんは元来た道を走った。頼りなげに歩く彼の背中が遠くに行ってしまう前に。本気なんだって彼に分からせる為に。
もしもシリーズその3。高校生×男優でちねりん!
知念クンが学生なりにもんもん考えながら凛くん一途な話を……かきたかった……それだけデス……男優な割にHなシーンがお粗末ですみません……。(2011 08 05 jo)