Amicitia sal vitae. - 友情は人生の塩である -

振り回されてばかり、知念には。知念に言わせれば、普段振り回してきたのはわんの方なんだろうけれど。

「はぁ〜」
「凛ためいきばっかやっさぁ、ぬーした?」
「ぬーでぃもねーらん」
「知念が戻ってきて嬉しくないかや?」
「フ、フラー!嬉しくないわけねーらんどぉ」
「あんしぇ、もーっと嬉しそうな顔しろよー」
朝から溜息ついてばかりいるわんに裕次郎は不満らしくずっと理由を聞いてくる。適当にはぐらかしているとそれもまた不満なのか裕次郎はますますしつこく尋ねてきた。
まさか、言えるわけがない。知念に告白されたなんて。

 ……―― 『凛クンがしちゅん』
何度も頭の中でリピートできる知念の声。そしてフレーズ。思い出すたびに、かぁっと身体が熱くなる。何度言われたいと願った言葉かは自分でよくわかっていた。
はずだった。
知念は泣きながら、彼女と別れる、と、わんを好きだ、と言った。泣いてしまうくらい、強い気持ちなのかもしれない。それならしに嬉しい。
その一方でしに怖い。いつか冷めてしまうんじゃないかって。
知念は、今の彼女をふって仮にわんと付き合ったとしても、後悔するかもしれない。なんでこんないきがと付き合っているのだろうとわんを捨てるかもしれない。
“彼女が似ていたから”ではなく、“彼女に似ていた”んだと気付いたとしたら?
胸もないし、柔らかくもない薄っぺたいいきがなんか、たとえ元は友達でも、……もう友達には戻れなくなる。
それに今の彼女の気持ちはどうなる。女の子だって、男子に告白するのはすごく勇気がいるだろうし、ましてや、あの子は知念に告白して、それでオッケーもらえた。この上なく幸せなはずだ。なのに、知念は「やっぱり別れよう」とか何とか言って、あの子をふることになるのかもしれない、何の罪もないのに。どこも悪くないのに。

「あのね、凛」
「何か」
「そのまま部活行ったら、きっと永四郎は“平古場クン真剣にやりなさいよー!”ってわじるよ。今まで以上に今日ぬ凛は、なんていうか、変やさぁ」
「……」
「それに、わんはね、知念よりやーとぬ付き合い短いかもしれないさぁ。やてぃんわかるんどー。中学入ってからずーっと一緒にいたから。やー真剣に悩んでるねぇ。何をそんなに悩んでんの。わんにも話せないことなの」
「話せねー」
「なんで」
「話せたらわんだって楽さぁ」
すると裕次郎はすっとわんの耳に口を近づけて、囁くように言った。
「知念が好きってくとぅ?」
びっくりして裕次郎を見ると、やっぱりと言いたげな顔がそこで笑った。
「気付かないわけねーらん、わんずっと見てきたさぁ」
見てたら、すぐわかるよと裕次郎は声のトーンを落として言う。
「わんにぜーんぶ話したらゆたさんよぉ。ぜーんぶ聞いたげる。聞くことしかできねーかもしれないけど」
「気付いてたなら、もっと早く聞けよ」
「フラーっ!わんは見守ってたの!もどかしかったけど。うんねーるくとぅはどーでもいいのっ、とにかく、2人になれるとぅくるに行ちゅん。今日は授業サボるんどー」
「はは」
席をたって連れだって出ていくわったーにクラスメイトがずるいぞなんて声をかけた。
裕次郎は、男と男の大事な会議だから仕方ねーらん!とわんの肩を抱いた。
意外にがっちりした肩にもたれかかったら、ぼろりと涙が落ちた。安心した。と同時に、わんはこんなにも、裕次郎に助けられないと生きていけないかもしれないと思うと可笑しくて、情けなくて、声をたてて笑った。





凛と裕次郎が結託します。ふぉぉ!でも裕次郎の助け船ってあんまり頼りにならなさそうだと思うのは私だけ?w
そういえば大○彼氏なるゲーム?に沖縄の子がいますね。永四郎の中の人が声なのですが、同じ沖縄っ子なのに全然違う何これって感じでした。「だって、友達だもんねぇ!」って言われた時ちょっとイラッ☆としましたw永四郎を思って聞いたら死亡フラグです精神的な意味で。 ……樽兄、神か。というどうでもいい主張。(2010 10 14 jo)